第二巻 「紅きたてがみ」
ISBN4-88392-505-6
2005/10/20 第一刷
2012/08/28 電子書籍版発売
表紙:ローザ・ギュルテムンゲ

傭兵隊長となったギャメルに、初の任務が与えられた。
初陣の地トーガ・ムレンにて、彼は思いもかけぬ勇敵と遭遇する。
誇り高きルキタニア王ウィルキンゲトリクスの末裔、ヨアキムとロベルト。
雄々しき「紅きたてがみの獅子」ふたり。
歴史は彼らに何を求め、何をさせようと欲しているのか?
彼らとの出会いは、ギャメルにいかなる運命をもたらすのか?
今、「群青の軍団」が動きはじめる。


 ルテラ・サーガの特徴の一つに、「きら星のごとく」現れる登場人物たちがあります。
「ちと多すぎるんでは?」
 という指摘もいただいたことがあるのですが、これはこれでよろしいのです。
 ルテラというのはこの世界の名前なのですから、「ルテラ・サーガ」とは、たとえて言うなれば「地球物語」というようなもの。
 そんな大きな名前の物語なのに、登場人物が数えるほどしか居なかったら、それこそ奇妙キテレツというものでしょう。(^^)
 というわけで、この第二巻でも、かなりの新登場人物が現れますが……ずばり今回のキーワードはルキタニア人
 既に第一巻でも、主人公ギャメルの義姉シャロンや、その妹アリエス、そして血薔薇騎士のローザに、大将軍たるハロン……と、これだけのルキタニアの血を引く人物が登場しておるのですが、今回はいよいよ真打ち登場。
「血筋」という意味では、これ以上の純血種はあり得ないというほどの、濃い二兄弟が舞台に姿を現してきます。
 王家の嫡流。
 封建制や王政の時代にあっては、これほど重い宿命も他にはないことでしょう。しかも彼らの場合、栄えている黄金期のそれではなく、国家は500年もの昔に滅び去り、民族そのものも散り散りとなってしまっている……という境遇の元でのものなのですから。
「既に愚かな夢などは捨てている」
 などと公言しつつも、白面の貴公子ヨアキム、その碧い瞳に炯々とした煌めきを宿し、激動の時代を静かに見据えているのでした。

 過去を背負う定めの男、ヨアキム
 未来を築く定めを担う男、ギャメル

 この両者の運命的な出会いが、今後の物語の展開にどのような影響を与えてゆくのか……
 その辺りを楽しみに、読み進んでいってください(^^)
 また、それぞれにきっちりと一人ずつくっついている(?)暴れんぼの弟と妹の動向も、見過ごすことはできないでしょう。

 この新しい二巻は、旧「ぶんりき文庫」版の二巻に、「ぶんりき文庫」版の三巻の第二章をつなぎ合わせて再構成し、一部のシーンを書き加えたものです。
 もちろん、全体的に徹底的に見直し作儀を行い、文章のレベルを現在のものにいたしました。
 新一巻が大きく変わったのに合わせ、若干の設定変更も行われております。(^^)
 構成的に、ヨアキムとギャメルの対決……という色彩がとても強くなり、物語としてのまとまりが良くなりましたし、ローザの過去や、ハロンとの関係なども、「ぶんりき文庫」版よりも深く彫り込まれたものとなりました。
 そんなこれやでいろいろ変化がございますので、「ぶんりき文庫」版を持って居られる方にも、十分楽しんでいただけるものと存じます。

出版社による解説ページ