第一巻 帝国崩壊の序曲
「ぶんりき文庫」版
帝国崩壊の序曲
ISBN4-88392-124-7
2001/01/31 初版発行
2005/10/01 新版発行にともない絶版
表紙の人物:ローザ

大いなる物語が、ここに始まる……

 出版されたのは上記のように2001年になってからのことでしたが、元々の原稿はその2年ほど前に書き上げておりました。
 当時病んでいた「うつ病」の治療を兼ねて執筆作業だった訳ですが、そのような理由からの執筆着手でしたので、二巻以降のように始めに設計図のようなものを構成しておいてから、じっくりと中身を仕上げて行く……というようなまともなプロセスを経てはおりません。従って、第3章がやたらに長かったり、そのくせ主人公がただの一回も登場しなかったり(他のキャラの台詞の中には出ているのですが)と、今になって読み返すとかなり「おやおや」という感じのところがある作品です。
 文体なども、このころはまだまだ発展途上……というか、かなりおかしなところのあるものでした。(何せ、本当に「おかしい」時に書いた作品でしたし……)出版に当たって、かなりの手直しは入れたのですが、やはり二巻や三巻と比較すると、未整理な感じは否めません。伏線のつもりで書いた逸話で、二巻や三巻では拾い切れていないものも多々あったりしますから(おいおい)、機会があれば、書き直したいと思っているほどです(^^;;;
 とまれ、わたしにとっては最初の本格的な執筆作品でした。原稿用紙にして800枚以上というかなりの長さで、文庫本のページ数も551もありますが、タイトルに「序曲」と付けましたように、これでも壮大な物語の中では、ほんの序章部分であるに過ぎません。初めの原稿では、最後の一文は次のようなものでした。

 大いなる物語が、ここに始まる……

 格好の良い決めぜりふで、気に入っては居たのですが、いくら何でも551ページも読ませてから「ではこれから始まりです」というのもあんまりな気がいたしましたので、惜しみつつもカットいたしました(かの銀英伝のラスト「伝説が終わり、歴史が始める……」のパクリのような気もいたしましたし)。もっとも、変人のわたしのことですから、最終巻のラストあたりで、やっぱり使うかも知れませんが(^^;;;

 この「ルテラ・サーガ」は、そもそもの構想が長すぎるせいか、とても一巻で完結という訳には行かず、三巻目を出版に至った今でも、まだ「遠い道のりをひた歩いているところ……」という感じがいたします。しかし、手塚さんの「火の鳥」のような、わたしにとってのライフワーク作品として、力尽きるその日まで書き続けて行こうと思っております。
この「ぶんりき文庫」版は、現在の通常文庫版とはかなり内容が異なっております。
発行部数もトータルで700程度でしたので、もしかすると将来はレアアイテム化するかも知れません。
保存しておかれると面白いかも……(^^)

出版社による解説ページ