登場人物
その2(弓・投射兵器)

剣 弦の張力を利用して矢玉を飛ばす兵器。
一人で携帯して扱える小型のものから、数人がかりで操作せねばならない大型のものまで、多種多様のタイプが存在しました。


Bow
ごく普通のサイズの弓。
古い時代には単一素材であったが、時代が下がるにつれてコンポジット(複合素材貼り合わせ)タイプのものが開発され、同じようなサイズであっても強度が増している。
大きさで長弓・大弓などの区分があるが、必ずしも「大きければ強い」というものでもない。
マウア帝国の時代には、長さ5〜6フィートのものが用いられた。
(最大射程400m、有効射程80m、確実殺傷射程は30mほど)

半弓
Half Bow

長さ3フィート以下と、通常の弓の半分ほどの大きさに作られた弓。
コンパクトなので、馬上での使用に適している。
実戦用の半弓はコンポジットタイプで、強度的に劣るということはない。縁日の出店やや遊郭で用いられている遊技用のものとは全くの別物である。


弩(いしゆみ)
Cross Bow
クロスボウ、ボウガン、アルバレスト……など、さまざまな呼び名がある。
引いた弦を固定し、引き金装置を操作することでそれを解除して発射する構造をしている。
小型のものは手で引くことも可能だが、中型以上のものは張力が強大に過ぎるため、滑車やラチェット・ギアなどの器具を用いて引かねばならず、弓に比べて速射性に劣る。その反面、放たれた矢の破壊力と貫通力は弓の比ではない。(最大射程で1kmほどにもなる)
★弩(いしゆみ)用の矢は太矢(Quarrel)と呼ばれ、弓の矢(Arrow)とは区別される。
★矢ではなく石や金属でできた弾丸を発射するようになっているものもあり、それらは弾弓(はじきゆみ)と呼ばれて区別される。
★特に大型のものは、架台に載せ、数人がかりで操作した。(対人用兵器ではなく、むしろ攻城兵器の一種)

モーレの弓
Molai's Bow
竜の角と髯とを素材として用いていると伝えられる、伝説的強弓。
有効射程距離が尋常の弓の最大射程並みであったと言われている。
特別な魔法がかけられており、モーレ以外の人間には引けないようになっていた。

上記以外の、手で直接投げて用いるタイプの投射兵器の数々。

投石器(スリング)
Sling
石つぶてを投げるための器具。革や丈夫な布で作られた。
打撃力があるため、熟練者が扱った場合には弓矢をしのぐ威力があったという。

投げ槍
Javelin
投擲用に作られた槍。長さは1〜2ヤードほど。
敵方に投げ返されぬよう、いちど使うと曲がってしまうように工夫されたものもあったらしい。
むかし、ドリュテスたちはこれを好んで用いていたという。

投げ斧(トマホーク)
Tomahalk
投擲用として作られた斧。投げやすい大きさと、飛距離を出しやすい重量配分になっている。

投げナイフ
Throwing Knife
投擲用として特に設計されたナイフ類。
大きさや重心を工夫され、投げつけた時に突き刺さりやすくなっている。
一見してナイフとわかるものから、ぎょっとするような形状のものまで、多種多様である。(いわゆる「手裏剣」も、この類型に含まれる)

チャクラム
Chakram
戦輪とも呼ばれる、特殊な投射兵器。
「突き刺さる」のではなく、「切る」投射兵器であるのが特徴である。
平らにした鉄輪の外周部に刃をつけた構造で、刃のない内周部に手や指を入れ、回転させてから敵に投げつけて用いた。(実際にインドのシク教徒が用いたものは、30mの距離で2cmの青竹を切断したという)
★ルテラ世界では、ルキタニアの民族武器であるという設定になっている。

ダーツ
Dart
遊技用のものというイメージが強いが、実践でも用いられたれっきとした武器である。
盾の裏などに数本ほど装備しておき、敵兵の中へ投げつけて混乱させ、その直後に斬り込む……という戦法が有効だったという。
殺傷力には劣る兵器だが、毒を塗っておけば話は別である。

  

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